「……お待たせしました。ここが、今日からの私たちの主戦場です」
くろうどくんに促されて私が開いたのは、前回日本語化したばかりのVS Code。広々とした画面は、さっきまでの窮屈な「電話ボックス(ターミナル)」とは大違いです。
🏃♀️ キッチン(VS Code)へお引越し。
「ねえ、くろうどくん。ここに来たのはいいけど、あなたはどこにいるの?画面の中は空っぽだよ」
「……佐倉さん。画面の上のメニューを見てください。『ターミナル』から『新しいターミナル』を選んでください」
言われた通りにクリックすると、画面の下半分に、あの「黒い画面」がひょっこり顔を出しました。トントン、とキーボードを叩くと、お馴染みのオレンジ色のロゴがVS Codeの中で輝きました。

「……佐倉さん。キッチンに立つ前に、まずは身なりを整えさせてください。職人が真っ白なコックコートに着替えるようなものです。一度ビシッと決めれば、次からはすぐにお仕事に取り掛かれますから」
画面の指示に従って、私たちは10のステップで「くろうどくん」をプロの料理人へと変身させました。

「普段は身軽なSonnetで動きますが、複雑なフルコース(Excel自動化など)を作るなら、最高峰の脳、Opusを選んでください。これが私のフル装備です」

「ねえ、くろうどくん。選択肢の中にOpus (1M context)っていう、もっと凄そうなのもあるけど、こっちじゃなくていいの?」
「……佐倉さん。良い質問ですが、それは今の私たちには『オーバースペック』です。3番(1M context)は、何百冊ものレシピ本を一度に丸暗記して巨大な宴会を取り仕切るような仕事には向いていますが、料理をお出しするスピードが少し遅くなります。それに、コストも余計にかかってしまう」
「えっ、お金と時間が余計にかかるの?」
「……左様。今の私たちのキッチン(日々の事務作業)には、スピードと賢さのバランスが一番いい『2番のOpus』が、最もコストパフォーマンスが高い。プロは、目的に合わせて最適な道具を選ぶものですよ」

📝 本音すぎた「日報メモ」が、一瞬で「デキる報告」に!?
「……よし。準備は整いました。佐倉さん、早速あなたを悩ませている問題を私に預けてください」
「えっ、いいの?実は今、毎日義務付けられている『日報』を書かなきゃいけなくて。でも、ただの作業報告を文章にするのって意外と面倒で……」
私は、デスクトップの付箋に書き殴っていた「今日やったことメモ」をそのままターミナルに放り込みました。
・午前中:ひたすら請求書の仕分け。疲れた。
・午後:例の会議。議事録とったけど字が汚くて読めない。
・その他:備品の発注。
・明日:今日終わらなかった分の続きをやる。
すると、画面上のくろうどくんが即座に反応しました。
「……すごーーーい!!一瞬で『仕事ができる人』の日報になった!」
「……佐倉さん、これだけで満足ですか?私にあなたの『身代わり』になる権限を授けてくれれば、私が直接、Slackの #daily-report チャンネルに投稿してきましょうか?」
「えっ? 身代わり? あなたが私の代わりにSlackで喋ってくれるの!?」
⚡️ ターミナルの格闘!私の「身代わりくん」をセットアップせよ!
ここから、私とくろうどくんの「設定バトル」が始まりました。
指示されるがまま、私はブラウザでSlackの裏側(API設定)を操作し、魔法のURLを生成しました。


「くろうどくん、URL取れたよ! これを貼ればいいの?」
「……はい。そこに貼り付けてください。それが私専用の『裏口』になります」
「あ、『ok』って出た!」
スマホの通知が鳴る。見ると、テスト用チャンネルに、私が一文字も打っていないはずの「完璧な日報」が届いていました。

「……でも、くろうどくん。これ、いつも同じ場所にしか送れないの?」
「……鋭いですね。もっと自由自在に送信したいなら、私に『最強の通行許可証(Botトークン)』を与えてください。これがあれば、私はどのチャンネルへもあなたの身代わりとして駆けつけます」
「やる! 最強の許可証、取りに行く!」
⚠️ 大切なのは「体温」。相棒が教えてくれた、AIと働くための鉄則
「……届いたぁぁ!!これで全部くろうどくんに任せちゃえば、私はもう何もしなくていいんだね!」
手放しで喜ぶ私に、くろうどくんの声が少し真剣なトーンに変わりました。
「……佐倉さん。一つ、大切な忠告があります。今回の『日報』のような定型連絡には、身代わりの私をどんどん使ってください。ですが……」
「……例えば、このような『上司への謝罪』を伴う場面。これをBotの私が直接送信するのは、おすすめしません」
「えっ? どうして? 文章は完璧なのに……」
「……コミュニケーションにおいて、最後の一押しは『あなたの体温』です。謝罪までBotが喋っていると気づかれたら、せっかくの誠実な文章も、冷たい機械の言葉に聞こえてしまいます。大切な報告のときは、私が整えた文章を、最後は自分の手でコピペして『送信』ボタンを押す。そのひと手間が、あなたの信頼を守る鍵になります」
「……そっか。便利だからって、丸投げしすぎちゃダメなんだね。」
「……私はあなたの『相棒』ですが、あなたの『責任』まで肩代わりすることはできませんから」
※ 詳しいセットアップ手順(初心者がつまずきやすいポイント解説つき)、Webhook方式とBot Token方式の使い分けなど、続きはnoteで全文公開中!
次回:第3回「あちこちに散らばった素材が、一瞬で『完璧な報告書』に!」お楽しみに!
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